日大生産工学部建築工学科

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講演会聴講レポート:河野直氏による特別講演(12/10開催)

カテゴリ :
講演会
更新日時 :
2019年12月24日

河野直氏の特別公演(題目:『建築を、ともにつくる』)を聞いて
渡邉 健太郎(M1)

 建物が完成するまでのプロセスに、建物を依頼する施主と建物を設計する設計者、建物を建てる施工者の三者が関わってきます。しかし、設計者である建築家の中には、施主の要望とは別に作家性を優先する人がいるのも現実です。そこで、三者が同じ方向を向いていないのでは?と疑問に思った河野直氏と河野桃子氏は三者が"ともにつくる"を理念としたつみき設計施工社を立ち上げ、千葉県市川市内で「参加型リノベーション」と「ワークショップ」をメインに活動しています。施主、設計者、施工者の三者を交えて"ともにつくる"ことで何が生まれるのでしょうか。
河野氏は施主自身も"ともにつくる"ことで「場所への愛着が増えていく」と発言されていました。例えどんなに素晴らしい空間の建物でも、施主本人がその建物に愛着がわかなければ、その建物は末長く使われません。講演で紹介していただいた数多くの事例写真の中には、壁に珪藻土を塗るおじいさんやドアにペンキを塗るパティシエ、小さな手でインパクトを持つ子供など、全員が年齢に関係なく少年のように目を輝かせながら、手を動かしているように見えました。
また"ともにつくる"ことで変化するのは三者の関係だけではありません。参加型リノベーションやワークショップは活動範囲を市川市内で限定しているため、以前の施主や近隣の住民、子供たちも参加するなど、"ともにつくる"ことは「人と人をつなぐきっかけ」をつくっているのです。例え自分の故郷でなくても、そこでつながった人たちが愛着のある場所を増やしていき、愛着のある街へと変化させていくのです。
建築を学んでいない人たちがモノづくりに関わっていく「ともにつくる」という特有の設計手法が、愛着のある場所、愛着のある街をつくっていくことを学びました。また建築を学ぶ身として、製図室にこもるだけでは無く、モノづくりに関して学び、モノづくりの力を借りて地域の方々と関わっていく必要があると感じました。

河野1.jpg 河野2.jpg

<講師紹介>
河野 直(かわの・なお)
合同会社 つみき設計施工社 代表

-社歴(つみき設計施工者HPより)-
2010年7月 「ともにつくる喜び」を合い言葉につみき設計施工社を創業。
2010年11月 参加リノベーション事業による建設業分野での 新たな雇用創出が認められ、内閣府社会雇用創出 事業にて最終100社に選出。
2011年4月 自宅兼事務所近くの600坪の畑で農業ボランティアチームを開始。
2012年4月 法人化。合同会社つみき設計施工社となる。
2013年1月 参加型リノベーションに関するインタビュー記事が評判を呼び「greenzベストいいね賞2013」を受賞。