日大生産工学部建築工学科

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なぜ28℃なのでしょうか・・・?

カテゴリ :
教員コラム
更新日時 :
2017年09月20日

毎年、夏の省エネルギー対策の一つとして、環境省はエアコンの設定温度を28℃にすることを推奨しています。

では、なぜ28℃なのでしょうか・・・?

実は第1次オイルショック前の1970年に制定された「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」と、1972年に制定された「労働安全衛生法事務所衛生基準規則」(両方ともやたらに長い名称ですが・・・)に「室温28℃」が記されており、これがもとになっていると言われています。

しかし、実際のところ、オフィスの室温を28℃にして、在室者にアンケート調査を行ったところ、多くの人が「暑すぎる」と回答していたり、同じ計算作業を室温25℃と28℃の部屋で行ったところ、室温28℃の在室者の方が、正答率が低いなどといった研究成果が報告されています。

また、室温28℃の場合、湿度が80%以上になると熱中症にかかるリスクが高まるといった報告もあります。

どうやら、室温28℃は省エネルギーには貢献するものの、温熱生理心理学的にも作業効率的(知的生産性)にも望ましい温度ではなさそうです(そのように断言する専門家がたくさんいます)。

室内の湿度を低く抑えたり、あるいは扇風機などによる気流(風の流れ)をうまく工夫したりすれば、28℃であっても許容できるといった考え方もあるようですが、上記のことから必ずしも28℃にこだわる必要は無いと思います。

特に体温調節機能が未成熟・鈍化・麻痺している幼児・病弱者・妊婦・高齢者・一部の障がい者の方々は、室温28℃では、うつ熱(高体温)を起こす可能性が高いので、絶対に避けるべきです。

現実的には、エアコン(空調分野)以外の側面から節電に努めることが重要ではないでしょうか。

みかみ こうせい(建築工学科教員)