日大生産工学部建築工学科

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居住空間デザインコースの女子学生によるマンション現場見学会報告

カテゴリ :
行事報告
更新日時 :
2016年09月12日

女子チームによるマンション現場見学会・女性が活躍する現場・

 平成28年7月14日(月)、埼玉県の浦和で㈱長谷工コーポレーションによる現場見学会が行われた。今回は普通の現場とは違い、女性が多く活躍する華やかな現場である。女性の社会進出が進んだ今、施工管理の分野でもその数は年々増化しているが、それでも男性の数と比べると圧倒的に少ないのは事実である。そんな中、女性が多い今回の現場は大変珍しく、とても興味深いプロジェクトである。

 現場は埼玉県・浦和の駅から20分ほど離れた場所に建設中の分譲マンションである。このプロジェクトを実行しているのは建設地・埼玉県の県鳥を名前に取り入れた、「浦和駒場しらこばとチーム」で元請全員が女性である。当日は建築を学ぶ大学3年の女子学生17名が参加し、施工管理の具体的な仕事内容や現場の様子を見学した。

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 働く人に優しい職場

 現場に足を踏み入れると、狭くて天上の低い階段やネットのみで囲われた空間など、少しの油断が事故に直結するという状態で常に緊張感があった。それぞれの階で作業の工程が異なり、建物ができていく様子を実際に見ることで、座学で学んだ内容の理解がより深まった。一方で、休憩室を覘くと直前の雰囲気とは打って変わってそこには和やかな空間があった。一般的な建設現場では見られない、更衣室やシャワー室、化粧台やパウダースペースなど女性ならではの視点で考えられた設備がそろっており、作業員に対する細やかな配慮が感じられた。仕事をするにあたって「働きやすい環境」はやる気にもつながり、職員の意識改善による事故防止にもなるだろう。また、周辺環境にも気を配り、仮囲いや看板、掲示物にも花のデザインを施して「魅せる現場」としての工夫がされていた。このような現場は他に見たことがなく、とても新鮮で建設現場であることを忘れるような空間だった。

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 対応力が求められる仕事

屋上の見学中に突然雨が降り出した。しかし、現場の作業は中断することなく「台風が来ない限り作業を続行する」と聞いて驚いた。建設現場では多くの業者、職人が関わっており、すべての作業を滞りなく行うには施工計画が重要である。工期が遅れれば多方面にその影響が出て損失も大きい。予期せぬ事象も柔軟に対応できなければ工期中に建物を完成させることはできない。これは現場だけの話ではなく、どんな場面でも共通することだろう。期限を厳守し己の責務を全うすることは人として最低限守らなければならない規則ではないだろうか。施工管理は常に全体の流れを把握し管理する重要な職業だと改めて実感した。

 現場の声を直接聞く

 一通り見学した後の質疑応答では、現場所長や次席の方を交えて、施工管理についての質問から仕事をするにあたっての心構えなど幅広く話が展開された。中でも、この仕事のやりがいについて「建物が完成したときに最もやりがいを感じ、衣食住のひとつを提供していることを誇りに思う」という言葉が印象的だった。人が生きていくうえで欠くことのできない「住」を自らの手で生み出すことは、責任も大きいがやりがいや達成感も大きいだろう。

このプロジェクトの利点として「発言のしやすさ」が挙げられた。学生からは「大学の授業で女子学生のみのグループか男女混合のグループかによって発言の回数が異なり、同性同士のほうが意見を言いやすく話しやすい」という考えもありこの意見に納得していた。

また、女性が多く働いている現場ならではの質問もあり、産休や育休は取りやすいかという問に対しては「現在は育休や産休が馴染みだした時期であるためまだ多くの事例はないが、制度は整っているため安心して働ける」ということで、これから就職について現実的に考えていく私たちにとって大いに参考になった。

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 見学会を終えて

 今回が初めての現場見学という学生が多かった中で、同じ女性として生き生きと働く姿を見て、たくさんの刺激を受け今後の進路選択にとても参考になる充実した一日だった。見学した学生からは「働きづらい環境なら自ら働きやすい環境に変えれば良いと思った」という積極的な意見もあり、今回の現場で学ぶことが多かったようだ。今後は将来の方向性を決めつけず、視野を広げて柔軟に考え、より社会に貢献できるよう邁進していきたい。また、今回は施工のみの見学だったが、ここで学んだことを生かして今後の設計も女性ならではの意見を取り入れた新しい提案をしていきたいと思う。

(文:居住空間デザインコース3年 甲山冴子)