日大生産工学部建築工学科

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2011年度建築工学科海外研修旅行記

カテゴリ :
行事報告
更新日時 :
2012年06月01日

五感で味わうヨーロッパの旅  藤枝拓弥(4年生)

2012年3月12日~3月23日までの12日間、海外研修旅行へ行ってきました。この旅行では、成田→ヴェネチア→トレビゾ→ヴェローナ→ミラノ→バーゼル→ベルフォート→ロンシャン→リヨン→ラ・アルブレル→マルセイユ→パリという行程でヨーロッパの建築を巡りました。12日間で3カ国を回るということで、非常に忙しい日程でしたが、多くの建築・文化に触れ、言葉の壁にぶつかりながらも、非常に楽しい旅行となりました。それでは、順を追って旅行を振り返りたいと思います。

13日目(成田→パリ→ヴェネチア)
成田空港を出発し13時間、パリ経由でヴェネチアへ到着しました。ヴェネチアでは、ヴェネチア出身で建築家のカルロ・スカルパの作品であるリベッティのショールーム、クエリーニ・スタンパリア美術館、ヴェネチア建築大学を中心に見学しました。
ヴェネチアの街は、運河を中心に入り組んだ水路、その水路にかかる橋、複雑に入り組んだ路地、突然現れる広場など、まるで迷路の中を冒険しているような感覚になりながら楽しむことができました。

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ヴェネチアの街並み

4日目(ヴェネチア→トレビゾ→ヴェローナ)
トレビゾでは、日本で大手ゼネコン設計部を経て、現在はイタリアで設計活動をしている現地建築家の方のレクチャ―を聞きながら、カルロ・スカルパの作品であるブリオン・ヴェガ墓地へ向かいました。このお墓には、スカルパ自身のお墓もあり、管理人の方の説明を受けながら見学させていただきました。日本を飛び出しイタリアで仕事をし、改めて日本の建築に対して思うことなど、貴重な話を聞くことができました。

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左:現地建築家と管理人 右:ブリオン・ヴェガ墓地

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左:ヴェローナ円形劇場 右:カステル・ヴェッキオ美術館

56日目(ヴェローナ→ミラノ→フィレンツェ→ミラノ)
ミラノでは、ミラノ大聖堂、ガレリア、ドゥオモ広場、スカラ座、モンテナポレオーネ通りに行きました。完成までに500年かかったミラノ大聖堂は、繊細な彫刻とそのスケールの大きさに感銘を受けました。
フィレンツェでは、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂やヴェッキオ橋を見た後、革職人のお店や、友人の知人のお店等で観光を楽しみました。

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左:ミラノ大聖堂 右:ヴェッキオ橋

7日目(ミラノ→バーゼル→ベルフォート)
ここでイタリアから国際列車に乗りスイスへ入りました。この日は天候に恵まれず、スイスの美しい景色を見ることができませんでした。バーゼル到着後、ゲーテアヌムへ。小高い丘の上に立つゲーテアヌムは、ルドルフ・シュタイナーという思想家の設計ということで、外観や内観、照明や色使いなど独特のデザインとなっており、建物の持つ力強さを感じさせられる建築でした。その後、レンゾ・ピアノ設計のバイエラー財団美術館へ。美術館として絵画を扱いながらも自然光を積極的に取り入れている美術館です。廊下からは外の景色も見ることができ、晴れた日には、山並みを背に広大な畑が広がる景色が、とてもきれいな眺めだと思います。この日、スイスを後にしてフランスのベルフォートで宿泊しました。

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左:ゲーテアヌム 右:バイエラー財団美術館

8日目(ベルフォート→ロンシャン→リヨン)
朝一番でロンシャンの礼拝堂(ル・コルビジェ設計)へ行きました。バスが街中から細い道に入り、山道をしばらく行くと、丘の上に礼拝堂がありました。手前には、レンゾ・ピアノ設計の修道院も完成していました。光の礼拝堂ともいわれる内部は薄暗い大空間が広がり、窓から入る大小様々な光が感動的な空間を作り出していました。
ラ・トゥーレット修道院(ル・コルビジェ設計)も山道を登った見晴らしの良い丘の上に建っていました。ここでは、実際に修道士の方と同じ食事をとり、夜にはお祈りをし、そのまま修道院に泊まることができました。コルビジェの作品に泊まるということで、みんなとても興奮していました。翌朝、最初に目に入る白い天井、決して広いとはいえない部屋のスケール、修道院特有の静けさの中、とても良い空間で目覚めることができました。今回、教会部分は修復中のため入ることができませんでしたが、全身でコルビジェのモデュロールを感じることができたと思います。

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左:ロンシャンの礼拝堂 右:ラ・トゥーレット修道院

9日目(リヨン→マルセイユ→パリ)
ユニテ・ダビタシオンは、ル・コルビジェの設計による作品で、集合住宅や店舗、保育園やプールなどが一つの建物に集約されています。今回はオーナーさんのご好意により、特別に住宅部分と屋上を見ることができました。住宅部はメゾネットになっており、それぞれが上下左右で絡み合い、とても面白い空間になっていました。

 

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左:ユニテ・ダビタシオン 右:内部(住宅部分)

10日目(パリカレ邸、サヴォア邸、ラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸

カレ邸はアルヴァ・アールト設計の住宅です。パリ市内から約1時間の田舎にありました。門の中には、一本の道があります。そこは木々に囲まれており、緩く右にカーブしながら上るアプローチです。その坂の上に片流れのカレ邸が現れました。屋根は低く、敷地の傾斜に絶妙にマッチしていました。内部も段差をうまく利用し、奥行のある広々とした空間に感じました。

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カレ邸の外部と内部

午後はサヴォア邸とラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸へ、どちらもコルビジェの住宅作品です。僕たちは、一年生の最初の課題でコピー課題としてコルビジェの住宅の図面を書き、模型を作ります。まだ図面も読めない一年生は、必死に資料を探し、この住宅を調べます。そのため、この住宅に行くことがとても楽しみでした。
サヴォア邸は、芝の公園内にあり広々とした場所に位置しています。当日も多くの建築学生が来ており、スケッチをしている人もいました。内部は70年前の建物とは思えないくらい近代的なデザインに感じました。スロープ、ピロティ、屋上庭園等が、この住宅の様々な表情を作り出していました。
ラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸は、街中の建物に挟まれた路地を入った奥に位置します。周囲は建物に囲まれており、想像と違うものがありました。内部は、一部屋一部屋が独立していなく、吹き抜けやスロープ等で繋がっているので、他の部屋の様子が見えたり、奥の部屋の窓から外の景色が見えたり、光が入ったりと様々な空間体験をすることができました。

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左:サヴォア邸 右:ラロッシュ・ジャンヌレ邸

11日目(パリ自由散策)ヨーロッパ最終日はパリ市内の自由散策でした。それぞれグループで行動する人、個人で行動する人に分かれ、自由に動きました。僕たちは主に、美術館や観光地をまわりました。パリの街は思った以上に古い建物がたくさんありましたが、その古さが一個一個の建築の存在感を作り出していたように感じます。
また、街中には広場がところどころにあり、そこには人が集まり、歌を歌ったり、パフォーマンスをしたりと、日本ではあまり見られないような様々なアクティビティを見ることができました。
その後、地下鉄の駅を間違えたり、道に迷ったり等、小さなアクシデントはありましたが、無事にホテルでみんなと合流することができました。

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左:ポンピドゥーセンター 右:ノートルダム寺院

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左:エッフェル塔 右上:凱旋門 右下:ルーヴル美術館

12日目 パリ→成田空港
帰りも順調に飛行機が飛び、全員が無事帰国することができました。その後、成田空港で解散し、12日間の海外研修旅行は終了しました。旅行前までは、顔も名前も知らなかったみんなとも、この旅行を通してとても仲良くなることができ、ここで別れてしまうのが少しさみしいくらいにも思いました。この旅行でできた繋がり、この旅行で経験したたくさんのことは、今後も大切にしていきたいと思います。